大会長挨拶
第45回医療情報学連合大会開催にあたって
第45回医療情報学連合大会 大会長 山下芳範
(福井大学医学部附属病院 医療情報部 准教授)
第45回医療情報学連合大会の大会長を務めさせて頂くことを大変光栄に思います。
今大会は、私の活動拠点である北陸からは少し離れておりますが、初めての開催場所である白鷺城で有名な姫路といたしました。アクリエ姫路は2021年にできた比較的新しい会場であるとともに、駅からも徒歩10分程度の至近に位置しております。
大会のテーマは、「医療DXがもたらす医療情報新時代」といたしました。テーマとともに運営についても新しい時代に向けての取り組みを行うために、プログラム委員長には愛媛大学の木村映善先生、実行委員長には兵庫県立大学の竹村匡正先生、総務委員長には佐賀大学の花田英輔先生にお願いいたしました。
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)が、高齢者が急増する2025年問題・医療格差や医療アクセスの改善、医療現場の人材不足による働き方改革での効率化や負担軽減、持続可能な医療体制の確立といった課題とともに、AIの診断支援、IoTを活用した医療データのリアルタイム管理、遠隔医療の拡充、そして医療情報の安全な共有を考える必要があります。デジタル技術の進化が、医療のあり方を根本から変えつつある中で、私たちは新たな医療情報社会の構築に向けた重要な転換点に立っています。
このような変革が求められる中では、医療情報が中心的な役割を果たすことが期待されるとともに、医療情報学としての研究や実践の発表・議論の内容が、これからの医療DXの方向性を示すことや、医療従事者や患者、そして社会全体に対してデジタル技術の進化がもたらす医療の未来の指針を示すことが大会の役割と考えております。
医療DXとそれを支えるICTの可能性を探求するとともに、ただ技術を導入するだけではなく、トランスフォーメーションとして医療の質向上や医療安全とともに働き方改革の実現といった大きな期待に応えるための情報共有も重要となります。
本大会に参加される学会員・医療情報技師・企業の方々が、専門家や技術者としての知見を共有し、活発な議論と交流によって新時代を切り拓くための貴重な場として、新たな医療情報社会の構築へと繋がることを願っております。
今大会開催地姫路を代表する偉人である、軍師・黒田官兵衛がかつて新時代を切り開いたように、本大会ご参加の皆様が、これからの日本の医療情報の新時代を牽引し活躍されることを期待いたしております。